アガベの栽培
テキーラの原料となるアガベを収穫するまでには、実に8~10年もかかります。一般的に、アガベの苗植えには、根元に密生した蘖(ひこばえ)を移植栽培する方法が取られます。
アガベが成長してその高さが50cm程度となり、その根茎がグレープフルーツくらいの大きさになった時、親株から若芽が刈り取られることになります。アガベの苗植えに最適な時期は3年から5年の間であり、親株は1年に1つか2つの若芽を作ります。
親株から刈り取られるた芽は、雨季の始めに地中から4分の1だけ顔を出すようにして植えられることになります。そして、アガベの長い栽培の工程というものがここからスタートするわけです。
アガベが熟すまでには8年から10年かかるとされています。その間に念入りに親株と若芽を選別しなければ、高品質なアガベを育てることは出来ないのです。こうしてアガベが成長する間には、その根茎に糖分が最もたくさん蓄えられるように、色々と手が尽くされることになるわけです。
6年ほど経過したら、アガベがしっかりと成熟するように葉の上部を水平に切り、葉の表面を平らにする作業が行われます。そして、アガベが十分に成熟した時、今度はアガベは小さくなっていくのです。
これは、キオテと呼ばれるアガベの花が成長するためです。このキオテの成長は非常に早く、長い年月をかけて蓄積された根茎の糖分を吸い取ってしまいます。そのため、キオテが生えてきた時点でそれは即座に刈られてしまいます。そして、この時がアガベに最も糖分が蓄えられた時でもあるわけなのです。